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児童書新刊情報



『12歳たちの伝説』(後藤竜二/新日本出版社)

2000年☆1500円


 パニック学級≠ニ呼ばれるほど荒れている6年1組に、新しい担任の先生がやってきた。新任の若い女の先生。教室に入ってきた先生は、1メートルもあるゴリラのぬいぐるみをかかえている。

「ちょっと、聞くけどさ、あんた、ほんとに、先生? 学校にそんなもの持ってきていいと思ってるの?」

 へりくつ好きのハヤちゃんがさっそく先生につっかかった。先生をやっつければだれでも人気者になれる。5年生の1年間に担任が5人もかわったクラスの手荒い歓迎が始まった...。


 クラスの中でのけものにされている「霧島あい」と「川口美希」に数章ごとに交互に語らせる手法で書かれています。途中からはクラスのアウトロー「益田剛」、追っかけ隊のリーダー「山崎夕花」、保健室登校をしている「谷本誠」らの視点から語る章も織り交ぜながら、子どもたちの心の揺れを丹念に追いながら物語をすすめていきます。

 教師や大人の視点、あるいは神の視点(全知視点)ではなく、悩みに押しつぶされそうになる子どもたちに寄りそうようにして一人称の視点で書かれていること、それが、新聞連載中から子どもたちに共感を呼び版を重ねている秘密の一端なのでしょう。


 作者の後藤竜二は1943年生まれ。まぎれもなく現代日本の児童文学界を代表する作家の一人です。『キャプテン』シリーズ(講談社)、『1ねん1くみ』シリーズ(ポプラ社)など、人気シリーズもたくさん書いています。


 あれは筆者が小学校高学年のころでしたから今から30年も前、父にすすめられ、『天使で大地はいっぱいだ』という長編を読んだ(読まされた)ことがあります。

 どんな本だったか、どんなストーリーだったか、いっさい記憶にありません。苦労して読了したあとただひとつ記憶に残ったのが「後藤竜二」という作者の名前でした。

 そのとき以来、「後藤竜二」=『天使で〜』の作者として筆者の脳裏にきざみこまれてしまいました。
(当時の後藤は二十代後半。方向性を失っていた児童文学界にデビューしたての、気鋭の作家だったわけです)


 『天使で大地はいっぱいだ』をインターネットで検索すると、次のような紹介文がヒットしました。

 六年生になった新学期。担任の新米先生・キリコに、サブたちはいたずらをしかけるが、まるで歯がたたない。やがてキリコを中心に、クラスは一つにまとまっていく。北海道石狩平野の自然を舞台に、たくましく成長していく子どもたちの姿を描いた長編力作。

 大地≠ヘ北海道の石狩平野、天使≠ニはクラスのやんちゃ坊主ども。おぼろげながら記憶がよみがえってきました。

 ここで紹介している『12歳たちの伝説』と設定が類似しているのがわかります。後藤竜二にとって、子ども・教師・学校は永遠のテーマなのでしょう。
 ついでに言えば、やんちゃ坊主に若い女の先生を配置するのも同様の趣向。『1ねん1くみ』のくろさわくん」s白石先生≠オかりです。


 さて、『12歳たちの伝説』です。どんなに教室が荒れていようと、後藤は子どもたちへの信頼も、教師への信頼も失っていません。物語のラストで解決の方策を示してくれています。その意味で、安心して読める本です。

 ただし、その解決≠ナすべてハッピーエンド、とはいきません。解決≠ヘ外から与えられるものではない、子どもも教師も一人ひとりが悩み考えながら、仲間と協力しあってよりよい方向への一歩を踏みだしてほしい、そんな願いが物語の結末にあらわれています。

 荒れる学級、キレる子どもたち、悩む教師と親への熱いメッセージがこめらた作品です。
 2001年度6年1組5分間読み聞かせ<Vリーズ第5弾にふさわしい物語に出会うことができました。


 本書が刊行されて1年。今年7月に続編『12歳たちの伝説・U』が出版されました。
 第1作で解決≠オたかに見えたパニック学級≠ノは、まだまだ問題が残されていました...。

    ↓

  『12歳たちの伝説』

2001-11-26-Mon



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