とっぷぺーじ

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おふぃす ひげうさぎ




毎日5分ずつ、すきまの時間をつかって本を読み聞かせています。

じっと見つめる子どもたちの目と、物語に聞き入る教室の雰囲気が大好きです。



このページでは、5年生の1学期にとりあげた本をご紹介します。

書店や図書館で見かけたら、手にとってみてください。



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児童書新刊情報



『ピョンとオバケン』(山中 恒/理論社)

2004年☆1300円


 2004年4月。いまから1年前のことです。
 クラス替えをした5年生34人を担任することになりました。

 兄弟関係で見知った子が何人かいます。
 海外から帰国した転入生もいます。
 前年度に担任していた2年生とはとなりどうしの教室だったので、半分くらいは見たことのある子です。
 なかには“職員室の有名人”もいます。

 そんな子どもたちといっしょに、1年間、「朝の10分間読書」と「毎日5分の読み聞かせ」をつうじて、読書のたのしさをつたえていきたいと考えていました。

 今年は1年勝負です。
 勤務校では、今年度から6年生に進級するときにも学級編制=クラス替えをすることになったからです。

 最初の読み聞かせにどんな本をえらぶか、毎年とてもまよいます。
 1年間だけのクラスなので、いつもよりずっと慎重になります。
 たのしい話、こわい話、シリアスな話、感動する話...どうしましょう。

 きめました。
 今年は“めちゃめちゃおもしろい話”からスタートしよう!

 そしてとりあげたのが、この『ピョンとオバケン』でした。


 主人公は「アワユキ・ピョン」、オバケの国にすむとっても元気でいたずら好きな女の子です。

 でも、このピョン、あまりにいたずらの度がすぎて、悲女(ヒメ)母さんにしかられてしまいました。

   ………………………………………………………………………………
   「あのね、目ん玉こぞうと傘オバケが、ピョンのことをばかにし
    て笑ったから、目ん玉こぞうをぶってやった」
   「どんなふうにばかにしたのぉ〜?」
   「だからね、『なんだ、おめえにゃ足がねぇじゃんか、へんなの』
    っていうの。むかついたからぶってやった」

    ヒメ母さんは大きなためいきをついていった。
   「おばかさんねえ〜。足がないから幽霊族のオバケでしょう。
    それよりも、ただ目ん玉こぞうさんをぶっただけ?
    正直におっしゃい〜」
   「ただ、ぶっただけ」

    ヒメ母さんは、首をふったね。
   「うそおっしゃい〜! さっきバケネコばあさまがみえて、
    ピョンのおかげで、ヤキネコばあさまになるところだったって、
    おこってたわよ〜。
    目ん玉こぞうさんをぶっただけで、
    どうして、そういうことになるのかしら?
    どんなふうにぶったか、正直におっしゃ〜い」
   「だから……いっしょにいた傘オバケをつかんで、野球のバット
    のようにふって、目ん玉こぞうをぶっとばしたの。それだけ」

    ヒメ母さんは、だまされませんよというように、ピョンの目を
    のぞきこんで、ゆっくり首をふった。
   「それだけ?
    それだけじゃないでしょう〜。正直にいいなさい〜」
                       [一部改行して表記]
   ………………………………………………………………………………


 ふっとばされた目ん玉こぞうがカッパおじさんの頭のお皿にとびこみ、
 はねたお皿の水が火の玉オバケにかかって火が消えそうになり、
 ウチワオバケでがんがんあおいだら火の玉兄ちゃんがふっとんでしまい、
 バケネコばあさまのふとんの中に入ってもえだしたもんで、
 バケネコばあさまがヤケネコばあさまに...。


 ドタバタハチャメチャな場面がこれでもかというほどでてきます。

 上に引用したところなどまだまだ序の口。
 オバケ堂はつぶれるは、血はがぼがぼ流れるは、顔がふくらんでパンクするは、1分に1度は、ちょっと大げさかな、1日に1度は教室が子どもたちの笑い声と歓声につつまれます。

 スラップスティック。
 そう、「スラップスティック」という形容がぴったりの物語です。


 閑話休題。
 毎日が毎日こんな調子ですから、このままだとピョンはいつかオバケの国から追放されてしまいます。
 そこで一計を案じたヒメ母さん、ピョンが人にこわがられる立派な幽霊族のオバケになれるよう、人の世界におくりこむことにしたのです。

 ピョンの修業先にヒメ母さんがえらんだのは、小幡健(おばたけん)、通称オバケンという4年生の男の子でした。

 オバケンはあまりぱっとしない男の子です。4年生の中で一番のチビで、おとなしくて、あだなのとおりオバケが好きでした。

 そんなオバケンのことを、学校中の人気者、粟谷ユキ(あわやゆき)という同じクラスの女の子がなぜかいつもそばについて世話をやいていました。

 そして、二人のクラスに転校してきたのが尾形研(おがたけん)、ガタケンです。こちらは体が大きくてハンサムで、あっというまに男子ナンバーワンの座についてしまいます。
 このガタケンが、オバケンにいじわるをしてくるのでした。

 ピョン、オバケン、ユキ、ガタケン。
 物語全体の三分の一ほどかけて、ようやく登場人物が出そろいました。

 さあ、ここからクライマックスまで、息もつかせぬ展開がつづきます。
 山中恒えがく人情味あふれるスラップスティック=ドタバタコメディーをたっぷりおたのしみください。

 毎日5分ずつ、40回ほどの長さです。
 5年生がスタートして2か月、この1冊で子どもたちはすっかり「読み聞かせ」のとりこになってしまいました。


 本書は、理論社から刊行された「山中恒よみもの文庫」の完結記念として、あらたに書き下ろされた作品です。

 「よみもの文庫」全20巻には、
  『くたばれかあちゃん!』
  『あばれはっちゃく』
  『おれがあいつであいつがおれで』
  『ムサシ早手流』
 など、山中ワールドが堪能できるタイトルがならんでいます。

 ぜんぶそろえて税込み27405円。
 新年度の児童図書購入計画に、そっとしのばせてみませんか。

 勤務校では...もちろん図書担当の“ひげうさぎ先生”におねがいしてすぐに買ってもらいましたよ!

    ↓

  『ピョンとオバケン』

2005-03-11-Fri



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