とっぷぺーじ

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おふぃす ひげうさぎ




     


毎日5分ずつ、すきまの時間をつかって本を読み聞かせています。

じっと見つめる子どもたちの目と、物語に聞き入る教室の雰囲気が大好きです。



このページでは、5年生の2学期にとりあげた本をご紹介します。

書店や図書館で見かけたら、手にとってみてください。






『まんじゅうこわい』(斉藤 洋/あかね書房)

2004年☆1000円


 2005年のスタートです。まずは落語の本からはじめましょう。

 みんなが“こわい”というものにさんざんケチをつけたクマさん。自分はまんじゅうがこわいと答えます。
 それ聞いたみんなは、クマさんをやっつけようとまんじゅうをたくさん買ってきてならべますが...。

   ………………………………………………………………………………
   「やややっ! こ、こ、これは、ま、ま、まんじゅう! わーっ、
    お、おそろしいいーっ!」
    さけび声をあげたかと思うと、クマさんはまんじゅうをひとつ
   つかみ、それを口にほうりこんだのです。
    ひとつほうりこむと、またひとつ、そして、もうひとつ……。
    口にほうりこんだまんじゅうを、クマさんはむしゃむしゃたべ
   ていきます。
   「ううむ、なんちゅう、こわい。まんじゅうは、ほんとにこわい。
    ああ、こわい。とても見ていられない。見ていられないから、
    たべるしかない。ううむ、なんちゅう、うまい、じゃなかった、
    こわい!」
   ………………………………………………………………………………


 ご存知「まんじゅうこわい」から、
「こんどはあついお茶がこわい……」
 という“落ち”の直前の部分をご紹介しました。

 とりあげたのは斉藤洋の「ランランらくご」シリーズ第1巻です。子どもむけの落語の本でいちばん新しいバージョンになります。
 古典落語のおもしろさをそのままに、いまの子どもたちにもそのおもしろさが伝わるように大胆にアレンジして書かれた本です。

 「まんじゅうこわい」は教室では5分ずつ3日かけて読みました。
 落語を小分けして話すのもなんとも無粋なものですが、「毎日5分」にこだわって分けてしまいました。

 でも、まとめて読んでも15分そこそこ。
 始業式の日の初笑いに、いかがでしょう。


 とあっさり終わってしまうのではもったいない。
 蛇の足をつけたしておきます。

 本書には、上にご紹介した「まんじゅうこわい」のほかにあと二つの噺がおさめられています。

  「親子酒」
   酒癖の悪い親子の頓珍漢なやりとりが笑いをさそいます。
   8分ほどかかります。

  「できごころ」
   まぬけな泥棒が空き巣に入りますが、どうもうまくいきません。
   3編の中で最長編で20分。5分ずつなら4日コースです。


 「親子酒」から一部を引用します。

 酔っぱらって帰ってきた亭主は、おかみさんが差しだすコップが2つに見えてしまいます。

   ………………………………………………………………………………
   「あら、いやですね。コップはひとつじゃないですか。よっぱら
    って、ひとつのものが、ふたつに見えるんですよ。ほら、しっ
    かりしてください。」
   「え、なんだって? コップはひとつだって。そんなことはない
    だろう。でも、まあ、いいや。」
   「ほら、ちゃんとうけとってくれよ。あれ? へんだな。おまえ、
    いつから右手が二本になったんだ。ややや、もう一本ふえた。
    右手だけで三本。ううん、両手で六本になってるぞ。」
   「ほんとにもう、しょうがないねえ。」
   ………………………………………………………………………………


 じつはこの部分、もとの本では会話の前後にト書きが入っています。

  ・それを見て、おかみさんは、
  ・といいながら、だんなさんの手にコップをにぎらせました。
  ・だんなさんはそういって、コップの水をのみほすと、そのコップをお
   かみさんにかえそうとしました。でも、うでが左右にゆれて、うまく
   かえせません。
  ・だんなさんはそんなことをいっています。よっぱらって、ものが二重
   三重に見えるのです。

 それらをぜんぶとってしまいましたが、どうですか、まったく違和感なく読めるでしょう。

 もともと落語には必要以上の情景描写、心理描写はありません。会話としぐさ(と“間”)でたのしむものです。

 読み聞かせでせっかく落語をとりあげるのです。上の「親子酒」でためしたように、地の文をとばして読んでみてください。

 ときには、
  「べらんめぇ」
  「てやんでぇ」
  「こちとら江戸っ子だい」
 なんてアドリブを入れながら、ほんものの落語のように演じてみてはいかがでしょう。

 3学期の初笑いはやっぱり落語で決まり、ですね。


 おまけの話。斉藤洋の講演で仕入れた情報です。

「この落語シリーズには、ある“しかけ”がしてある。これまでだれもそれに気づいていない」

 自信たっぷりに話していました。
 いったいどんな“しかけ”かというと...、

「高畠純が動物のイラストを描いてくれた。だから、絵を見ながら読めば動物が主人公のお話になる。
 けれど、絵を見ないで話だけを聞くと、登場人物が動物だとはわからないような文章になっている」

 なるほどなるほど。

 この話を聞いていたので、教室で読み聞かせるときにためしてみました。
 本にカバーをかけて表紙が見えないようにし、途中でもイラストをいっさい見せずに1冊を読みきりました。

 そして、秘密の“しかけ”を紹介すると、5年生がひとこと言いました。
「やられた」

    ↓

  『まんじゅうこわい』

2005-01-07-Fri



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