とっぷぺーじ

since 2000.10.07.
おふぃす
ひげうさぎ WHO?
お役立ちリンク
出席簿
濫読の記
ひげうさぎの本
∇よみもの
webたまてばこ
小学生の日記教室
頭の体操
図書室
メールマガジン

∇アルバム
こどもたち
図工作品集
ひめの部屋
「湘南」
∇オアフの風
写真集&旅行記
∇ひろば
うさぎの黒板
こどもの黒板
おえかき黒板
ついったー
めーる
メールはこちら


こどもの本をご紹介

図書室

おふぃす ひげうさぎ




     


毎日5分ずつ、すきまの時間をつかって本を読み聞かせています。

じっと見つめる子どもたちの目と、物語に聞き入る教室の雰囲気が大好きです。



このページでは、幼稚園児の保護者むけの「子育て講演会」でとりあげた本をご紹介します。

書店や図書館で見かけたら、手にとってみてください。






『すえっこおおかみ』(ブリマー/あすなろ書房)

2003年☆1300円


 公立小学校時代に担任した子どもたちに出会うと、
 「先生、まだ読み聞かせをしていますか」
 と、いつもたずねられます。

 クラスから離れてしまったので、「毎日かならず5分」はできません。
 でも、たまに教室のお手伝いに入ったときに本を何冊か読んであげたり、
 おとなを対象とした講演会で「読み聞かせ」をネタにお話をしたりはして
 います。


 本号では、お子さんが幼稚園にいらっしゃる保護者の方を対象とした「子
 育て講演会」のようすをご紹介いたします。絵本を通じて親子のつきあい
 方を考えていただく試みのひとつとしてお読みくださればさいわいです。


                 ◇


   ………………………………………………………………………………

   ある とっても きもちのいい なつの あさのこと、
   おおきな はいいろの とうさんおおかみは、
   こどもたちが ひなげしの はらっぱで あそんでいるのを
   じっと みていました。

   ところが いっぴきだけ、ほかの こどもたちのように
   あそんでいない こが いました。

   いちばん ちいさな すえっこおおかみが、
   おおきく えだを はった、ならのきの みきに かくれて、
   そこから こっそり、ほかのこどもたちを みていたのです。

   ………………………………………………………………………………



 すえっこおおかみは、まだ小さいので、フランキーにいさんのようにはま
 っすぐころがることができません。それを引け目に感じ、思いきり遊ぶこ
 とができないのです。


 ここで読み聞かせをいったんやめて、

 「そんなすえっこおおかみに気がついたとうさんおおかみは、
  すえっこおおかみにどんなことばをかけたでしょう。

  また、もしあなたがとうさんおおかみなら、
  すえっこおおかみにどんなふうに声をかけますか」

 と、聞いてくださっている保護者のみなさんに問いかけます。


 指名して答えていただくことはしませんが、ご自身の子育てをふりかえる
 時間をすこしとるようにします。

                 ・

                 ・

                 ・

 では、とうさんおおかみは何と言ったか、このあと数場面のとうさんおお
 かみのことばを抜き出してみましょう。


   ………………………………………………………………………………

   「ちびや、どうして おまえは、にいさんや ねえさんたちと
    いっしょに あそばないのだね?」

                 ◇

   「まっすぐ ころがるのか…。
    そりゃ、ちょっと むずかしいなぁ。
    どれ、ともかく いっぺん やって みせてごらん」

                 ◇

   「ちびっこおおかみは、フランキーにいさんみたいに、
    まっすぐは ころがれない。
    まがりくねってしまう…と」

   「それで いいんだ」
   「ほんとうだとも。
    まっすぐ ころがるのは、おおきくなってからだ」

   ………………………………………………………………………………



 とうさんおおかみは、
 「なにをやっているんだ!」
 といきなり頭ごなしに声をかけたりはしません。

 まず「どうしてあそばないのだね?」と問いかけ、すえっこおおかみに自
 分のことばで語らせます。


 事情がわかってからも、とうさんおおかみは、
 「まっすぐころがるにはこうするんだよ」
 などと先を急いで教えようとはせず、
 「どれ、ともかく いっぺん やって みせてごらん」
 と、すえっこおおかみにやってみせるよううながします。

 そして、たしかにじょうずにできないことを見とどけたうえで、いまはで
 きなくてもいいと語り、すえっこおおかみを安心させるのです。


 すえっこおおかみはそのことばに励まされ、「ああ、よかった」と自信を
 もち、ころころころころまがりくねりながらころがることができるように
 なるのでした。


 いかがでしょう。とうさんおおかみの一連の対応には「子育てのヒント」
 がたくさんつまっているようですね ── そうお話すると、保護者のみな
 さんも、うなずき感心しながら聞いてくださいます。




 さて、すえっこおおかみはアナねえさんのようには走ることができず、タ
 イラーにいさんのようには高くとびあがることもできません。それが気に
 なって、またもじもじしてしまいます。


 そのたびに、とうさんおおかみは、

 「いっぺん やって みせてごらん」
 「それでいい」
 「おおきくなってからだ」

 と、すえっこおおかみの“いま”をまるごと受容します。


 ですから、すえっこおおかみも安心して自分が“いま”できることに自信
 をもち、走ったりとびはねたりを心からたのしむことができるのです。




 ほかにも、とうさんおおかみの子育て法から学ぶべき点はいくつもあり、
 じっさいの講演会ではもっとお話するのですが、ここではあとひとつだけ
 ご紹介いたしましょう。


 ひとしきり遊んだ子どもたちをとうさんおおかみは、
 「そろそろ ひるねの じかんだ」
 と呼び集め、よりそって横になります。


   ………………………………………………………………………………

   とうさんおおかみは、おおきな おおきな ならのきを みあげ、
   すえっこおおかみの みみに ささやきました。

   「ちびっこや、みてごらん・・・」

   ………………………………………………………………………………



 「『みてごらん』につづけて、とうさんおおかみはすえっこおおかみに
  何とささやいたでしょう。

  また、もしあなたなら、お子さんにどんなことばをかけるでしょう。

  ここでは“正解”を出さずにおいておきます。
  どうぞみなさん、お考えになってください」

 とお話し、講演を終えます。




 以前にも、『ごきげんなすてご』という本を読み聞かせながら保護者のみ
 なさんに子育てについて考えていただく講演をしたことがあります。

 そのときにも書いたように、子どもの本をこんなふうに使うのはやはり
 “禁じ手”かもしれません。けれど、本に描かれた親子関係をとりあげて
 お話するのはたいへん効果的ではありました。


 ところで、最後にふせたままにしたとうさんおおかみのとっておきの台詞
 は...ぜひ絵本を手にしてお読みになってください。

    ↓

  『すえっこおおかみ』

2007-05-05-Sat



こんなメルマガを配信しています

子どもと本をつなぐ情報誌
「やっぱり本が好き!」


詳細はこちらから


読者登録はこちらから

(メールアドレスをご記入ください)