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はなむけのことば

 6年生を担任すると「卒業アルバム」を編集する。文集がセットでついていることがほとんどで、子どもたちが小学校の思い出や将来の夢など自分の思いを書き綴っていく。

 その文集に担任として「はなむけのことば」を書くことがある。アルバムの半ページがあてがわれ、原稿用紙1枚程度の文章を求められる。
 これが曲者で、「努力せよ」だの「挑戦せよ」だの「自分に厳しく」だのと、人生の半分も生きていない青二才が一丁前に人生訓を垂れたりするのに鼻白んでしまい、苦労するんだなぁ。


 過去3回、卒業生を送り出した。3回とも「卒業アルバム」を作成した。そのうち1回は「はなむけのことば」のページがなかったので ─ 子どもたちが自立していたのかな ─ 書かずにすんだ。

 しかし、あとの2回は苦しかった。なにしろ一生残る記念のアルバムだからやたらなことを書くわけにはいかない。
 参考になる文章をさがしたり、過去のアルバムをのぞいたり、となりの先生に何を書いたかたずねたりして、四苦八苦十六苦しながら文章をひねり出したのをいまでも思い出す。

 さて、「web たまてばこ」がめでたく500号をむかえる。どんな記事で記念号を飾ろうか。思いついたのが「はなむけのことば」だった。
 いま6年生を担任している方、これから6年生を担任する方になにかしら参考になればと思い、過去に2度だけ書いた「はなむけのことば」を公開したい。


 あなたがこのアルバムを開いているのは...

 手にしてすぐ
    ─ 中学校には慣れましたか

 学校を卒業するとき
    ─ 新しい生活への不安と期待と

 同窓会の知らせを聞いて
    ─ あの顔にもうすぐ会える

 引っ越し荷物を整理していて
    ─ この地を離れるのはつらいけど

 あなたの子どもに昔話をしながら
    ─ パパ、ママが小学校のときにはね


 思い出の1ページから
 元気をいっぱいもらってください
 楽しかった「6年1組」から
 明日への力をもらってください

 すてきなクラスをつくりあげた
 すてきな仲間たちに
 ありがとう

 いっしょにすごした2年間
 誇りに思っています
 いつまでも



 これはつい最近のもの。四十代で担任した卒業生に贈ったことばである。

 つぎは新卒5年目に6年生を担任したときのもの。肩の力のぬけた四十代とは対照的な二十代後半、思いっきり“熱血先生”をやっていたころである。
 文章が固い。力んでいる。でも、“思い”は伝わる...かな。


 3学期になり、卒業文集の作文を書いているころから、みんなの中に「卒業したくない」という声があがるようになった。
 作文を書きながら、友達のこと、学習のこと、遊びのことなどを思い出し、小学校生活をふりかえっているうちに自然にそういう言葉が出てきたのだと思う。

 君たちの担任として、そのことがぼくはとてもうれしい。「卒業したくない」という声になるほどの生活が、思い出が、友達が、この6年2組にあったということを示しているからである。君たちにとって、それだけ価値のあるクラスであったということだからである。

 このうれしさにひたりながら、だがしかし、あえてぼくは言う。

「卒業しなさい。君たちには“卒業”が必要だから」

 居心地がよく、仲の良い友達がいて、思い出がたくさんあるクラス。そんなクラスにいる君たちだからこそ、卒業していってほしい。
 このまま6年2組という枠の中にとどまっていると、いつしか生活が単調になり、マンネリに陥る。向上を求めなくなり、惰性で生きるようになる。

 君たちにはもっともっと大きくなってほしい。6年2組を乗り越えて、みずからの可能性に挑戦してほしい。
 新しい自分を探し求め、つくっていくるそれは苦しくつらいことだが、そこにこそ生きる意味があり、だからこそ人生が楽しいのだ。

 次なる山への第一歩を踏み出した君たちに、こころから。

 卒業おめでとう



 お粗末さまでした。

web『たまてばこ』 No.500 2004-02-14-Sat